2018年8月5日日曜日

慢性腰痛を改善するために重要な3つの筋肉

慢性腰痛を改善するために重要な3つの筋肉

腰痛のほとんどは1ヶ月以内に自然消失しますが、中には半年経っても治らないと訴える患者も多くいらっしゃいます。
そのような慢性的に腰痛がある状態を改善するためには、問題を起こしやすい3つの筋肉に対してアプローチすることが大切です。
3つの筋肉とは、①腸腰筋、②大殿筋、③多裂筋であり、これらは連鎖的に障害を引き起こしながら腰痛を起こします。
では、どのような連鎖かというと、現代人は圧倒的に座位をとる時間が長いために腸腰筋が硬くなりやすい傾向にあります。
腸腰筋が硬くなると拮抗筋である大殿筋の筋力が低下し、それを補うために同じく仙結節靭帯から起始する大腿二頭筋が緊張します。
そうすると同時に後縦スリング機構で連携する脊柱起立筋も過剰に緊張し、腰部上側方には筋肉の膨隆が認められます。
後縦スリング機構
脊柱起立筋の膨隆はあくまで結果であり、ここでアプローチすべきは腸腰筋のストレッチと大殿筋の筋力強化となるわけです。
次に多裂筋の問題ですが、基本的に腸腰筋と大腰筋はアウターマッスルに属しますが、多裂筋はインナーマッスルです。
両者の違いとして、前者は関節の動きを主に担うのに対して、後者は関節の安定性を担う割合が大きくなります。
とくに多裂筋は硬くなりやすい筋肉であるため、椎間関節の一部に拘縮が存在すると、拘縮がない椎間関節に過剰な可動性が生じます。
そうなると特定の箇所に負担が集中することになり、それは結果的に椎間板障害や椎間関節障害などの問題を起こすトリガーとなります。
側臥位にて股関節を深屈曲させたときに腰椎の屈曲が乏しく、痛みが伴うようなら、多裂筋に問題がある可能性が高いのでアプローチを要します。
方法としては、側臥位で多裂筋の収縮と弛緩を繰り返してリラクゼーションさせ、股関節の深屈曲でストレッチングしていきます。
多裂筋が硬くなる理由にも腸腰筋の緊張は関わっていて、重心が前方に偏位するのを筋収縮で受け止めている状態にあります。
そのため、腸腰筋と多裂筋、そして大殿筋はセットで治療していく必要があり、全体がうまく整わないことには改善しにくいといえます。
慢性腰痛も原因次第では改善できる可能性があるため、根本に存在している問題を見つけることが大切です。

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